第2章:情報アーキテクチャの定義(2.3 ものすごくいい情報アーキテクチャへの道)――『情報アーキテクチャ』学習メモ

情報アーキテクチャ 第4版 ―見つけやすく理解しやすい情報設計』の学習メモ第4回目です。この記事はタグアーカイブ「情報アーキテクチャ」からまとめ読みできます。

第2章「情報アーキテクチャの定義」より「2.3 ものすごくいい情報アーキテクチャへの道」を図にまとめてみました。今回からIllustratorで描くことにしました。結局そのほうが整理しやすいしパーツ使いまわせるし速いのかなと。

「2.3 ものすごくいい情報アーキテクチャへの道」のサマリー。クリックすると大きく表示できます。

情報構造を設計するための見方…情報エコロジーの3要素

はいー出ました。よく見るベン図です。

ここでいう「情報環境」とはウェブサイトやイントラネット・アプリケーションなどの情報によって構成される一種の空間のことを指します。この情報環境を設計・デザインするために必要なソースはどこにあるのか、ということなのですが、そこにこの3つの連関する要素「コンテキスト(文脈)」「コンテンツ」「ユーザー」を同時に考えよう、ということです(逆に、この3つのどれかだけを独立して考えても片手落ちになるということです)。

情報の設計にあたっては、私たちはこの3つから情報を取得し、同時にこの3つに対して働きかけを行わないといけません。またこの環境は「エコロジー(生態学)」の名が与えられるとおり、極めて動的・有機的で、ダイナミックに変化するものです。その変化も頭に入れながら設計をおこなう必要がある、ということです。

まとめると、つかみどころのない生物(イキモノ、あるいはナマモノ)としての情報をどのような尺度で捉えるか、というお話になるのかと思います。

答えはクライアントから支給された資料にはない

ウェブサイトの設計時、デザインをする時、実装をする時…あらゆる場面で私たちは「答え」を求めてクライアントから支給された資料や議事録を漁ることがありますが、おそらくそこにそうしたものがあることはほとんどないでしょう。明文化されているもの・いないもの・暗黙のルールやステークホルダーの間の政治・まだ見ぬ「霧の中のユーザー」…さまざまな要素から私たちは答えを見出す必要があります。それを全て網羅したものをクライアントに要求することはほとんどの場合できません。

とはいえあらゆる要素を包含して考えを進めるには物差しが必要です。この「コンテキスト」「コンテンツ」「ユーザー」という捉え方はその物差しとして活用することができそうです。

いかに我々は外に出るか

ユーザーについて知りたいときに私たちは机上にいるユーザーのことばかりを考えがちですし、クライアントの置かれているコンテキストを知るための現場に足を運ぶことも少なくなりがちです。しかし机の上でパソコンをいじっていても、肝心なことはそこにはありません(もちろんウェブサイトが現場である、ということは言えますが、それだけでは情報環境がおかれるコンテキストの全貌を捉えるには不十分でしょう)。

情報設計に関わろうとするならばデザイナーであれエンジニアであれ、自らの机の上を離れるスタイルの仕事が身につかないといけないなと身につまされた回でした。

 

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