フリーのウェブデザイナーとしての6年間を箇条書きで振りかえる #フリーランスAdventCalendar2015

事務所イメージ

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この記事は フリーランスアドベントカレンダー 2015 への参加記事です。


どうも、大阪でウェブサイト制作をしたりコワーキングスペースを運営しながら生きている深沢と申します。

紆余曲折を経て、水交デザインオフィスという自分の事務所を立ちあげたのが2009年の12月だったわけで、つまりこの間の12月1日で、フリーになってまる6年の時が流れたということになります。6年というとちょっとしたもので、私の約36年の人生の6分の1を占める期間ということになります。

6年を5回繰り返すと30年というわけで、私の30歳〜60歳までの、働き盛りの30年間、その5分の1がすでに費やされました。

時の流れは速いです。あっという間の6年をあと4回繰り返すと、私はもう還暦です。あっという間におじいちゃんです。孫のひとりやふたりもいるかもしれません。私はどんな60代になっているのでしょうか。そしてその後の余生はあるのでしょうか。いや、そもそも60まで生きてるんでしょうか。何も分かりません。

このままでは「わー」と言っている間に死んでしまうぞとひと通り焦ったところで、じゃあ僕はフリーランスの6年何をやっていたのか、ちょっと振り返ってみようという気になりました。足あとを辿って1年1年のことを簡単にでも振り返ればこの6年から「あっという間だった」以上の実りある感想が引き出せそうだなと思ったからです。簡単に箇条書きで6年を振り返り、来年のことを少し考えてみようと思います。

駆け足で振りかえる水交デザインオフィスの6年

1年目:2010年

  • とりあえずiMacとAdobe CS4、モリサワパスポートを購入。一気に50万ほどのお買い物
  • さらに最初の数ヶ月はロクに仕事がないので、毎月20万ずつ自分のお給料が消費されていき、気づけば100万以上のお金が消えていた(滝汗)
  • 購入後7ヶ月のiMacのHDDがクラッシュ。4月に始めたばかりのDropboxのおかげで九死に一生を得る → 反省してすぐにTime Capsuleを購入。バックアップは命綱です
  • コワーキングの構想開始、オープンまでを3ヶ月で達成
  • 「ドットコーダー」や「Osaka.css」といった勉強会・それにまつわる交流会によく行ってました
  • 懇意にしてくれるフリーランス仲間もできた
  • はじめてWordPressとMovableTypeに挑戦する機会をいただけた。CMSとの出会い
  • ウェブメディアに関わる案件に参加させてもらう機会もあった

駆け出しの1年目は義父の周りの皆様や、Twitterのウェブ制作者コミュニティの皆様に少しずつお仕事をいただいてました。初年の売上はわずか百数十万程度であったと記憶しています。当然大赤字だけど、振り返ると「コワーキング / WordPress / ウェブメディア」と、今につながることを一応やっているなと思いました。

2年目:2011年

  • ライティングもやってみた→これは一度やって断念
  • さっぱり未来も見えないままにJUSO Coworkingをオープン
  • 東日本大震災や人間関係のいろいろ…SNS疲れを起こす
  • やった仕事は実績に載せたい…明らかにフェアでない態度を取る制作会社さんとは距離を置いた
  • Ustreamでウェブ制作者のための地下ラジオ番組をスタート。小さなコミュニティを作った
  • はじめてのWordCamp〜WordBench大阪への参加 WordPress案件の積極的受注の開始
  • EC-CUBEでの挫折と、初めての外部依頼経験
  • コワーキングのコミュニティの小さな成長

いま僕に密に関わってくれている方のうちの数人がコワーキングというキーワードで集まってくれまして、今もいろんな形でお付き合いが続いています。

一方でフリーランス仲間とのトラブルや別れもあったりしました。あと、お仕事の条件面でクライアントさまといろいろお話することも多く、提示した条件にキツい言葉をもらうことも多い時期でした。実はそういうことも商売をしていればよくあることで、周囲でも大小のトラブルを聞くことがあります。消化するのが難しかったり、本業の障りになるようなストレスになることもありますが、そういった経験や耐性もなんだかんだで必要な素養なのかもしれません。

捨てる神あれば拾う神あり、拾う人があるうちはつらいことがあっても前へ進むきっかけになります。今にして思うとよい経験だったと思います。

売上はなんとか自分の給料分くらいはまかなえるくらいにはなりました。でも当然、それでは赤字です(汗)

3年目:2012年

  • 長く見ているサイトの運用や、ウェブメディアのスケール・展望について相談を受けるようになる
  • わからないながらも調べたり、挑戦することが増加
  • WordPressの込み入った要望に対応するため、PHPを触りだす
  • 複数の小中規模ウェブメディアやブログの立ちあげに制作側の責任者として関わることになる
  • これまで苦手としていたメールやドメイン関係・インフラについて、自分が設定をさわることになる
  • WordPressメンテナンスの現実とやっと向き合うことに
  • 他にも学校法人サイトなど、案件の幅が広がり出す

ひたすらWordPressを触りまくっていた1年間でした。売上は昨年の数倍になりました。しかし支出もぐっと増えてあまり儲かっていない感があり。とはいえ初年度のときの借りを若干お返しできたり、ようやく軌道に乗ったのか…? という感想です。

4年目:2013年

  • 案件も新規だけでなく「いくつかサイトのメンテナンスと拡張+小中規模の開発のみ案件」という構成に変わってきていた
  • デザインを一部パートナーにお願いすることも増えたが、自分のデザインは自分にしかできないというジレンマはあり、下半期からは結局自分に戻している(現在でもこの問題には格闘中)。代わりにコーディングをパートナーさんにお願いすることが増えた。
  • 自らつくったサイトのメンテナンス・サーバ移転・拡張などに苦しむ…運用を意識した初期開発の大切さを意識
  • ドメインに関してメール不通の事故を起こす…反省して自分の専門外のことはさわらないことにした。
  • そこでエンジニアさんとの分業開始。Gitを必要にかられて使用しだす
  • はじめてのiOSアプリデザイン経験
  • concrete5の中規模案件を受注、以後数件、concrete5を扱うようになる(実装は別の方にお願い)
  • リクリセミナー「ウェブデザイントレンド in 大阪」に初めて呼んでいただく(現在2013年〜2015年の3度出演)。以後セミナー登壇の場を積極的に増やしていく
  • 自分のディレクション能力のなさにうなだれる(1回目)

収入は前年より増をなんとかキープしたが、ここらで頭打ちになります。1人〜2人体制の限界が見えてきました。なお、この年で最初3年のときに敷いていた作業単価の見直し(値上げ)を行っています。価格優位性で選んでくれるクライアントさまより、私の過去の仕事で選んでくれるクライアントさまを優先する意図があっての見直しでした。現在まで細かく調整されていってますが、ベースはほとんど変わっていません。

リクリセミナーに呼んでいただいたのは僕にとってはとても大きなポイントで、これまであまり関わりが持てていなかった業界の先輩方とさまざまなお話ができたり、交流ができるきっかけになりました。また、やっぱり人前でお話をすることそのものが僕は好きなんだなあ、と再認識できたよい機会でした。僥倖なことだと思います。

5年目:2014年

  • WordCamp Kansai 2014に運営委員として参加、デザイン周りを担当。クライアントワーク以外のデザインがやりたい時期だったが、本当にやりたい仕事ができてありがたいWordCampだった。
  • 一方お仕事の方は、gitignore絡みで大きなファイル損失事故を起こし、フリーランス生活3度目の大反省。地道にリカバリをがんばる。
  • その大事故を他案件にまで影響させる不甲斐なさ。5年目の試練というべきか、本当につらかった
  • ここに来て仕事の8割が直接クライアントからいただける案件になってきた。ただし直接受ける案件は進行を誤ると即赤字やご破産になるリスキーなものでもあることは痛感している
  • レスポンシブ・ウェブデザイン案件の標準化。ワークフローの悩みが増えてくる。

年が近づくほど書きにくいことが増えてくることに気づきました(笑)

WordCamp Kansai 2014が印象的な一年でしたが、そのことは過去記事に譲ります。

昨年に引き続きハラハラするような事故もおこしつつ、自分が悪い時は誠意と後の対応しかありませんので数ヶ月リカバリをがんばりました。そりゃ事故はないに越したことはありませんし、基本的な所作ができていないから大きな事故につながるわけで自分の未熟さを思い知りましたが、つらい時ほど「命がなくなるわけではない、一日一日、できることをやろう」という気持ちで過ごしました。なお、その基本的な所作をちゃんと身につけるために今年、ようやくインフラを自分で立ててさわってみようとトライを始める次第です。

6年目:2015年

  • 地域の小規模な商店さん・医院さん等のご依頼が増えている傾向。1〜2ヶ月程度の小さな案件をクイックにこなす必要がでてきた
  • NPO法人さま等、各種法人からのご依頼も急増。活動内容に賛同できるクライアントさまが増え、やり甲斐は確実に増していると思う
  • パートナーさんにお仕事をお願いすることも多かったが、自分のマネジメントの下手さが逆に意識された。売上自体は上がったが、支出も上がって結局利益はあまり出なかったように思える。
  • 自分のディレクション能力のなさにうなだれる(2回目)ワークフローやデザインの合意に至るまでのプロセスについて悩みに悩んだ一年だった
  • 考えを変えて、自分でサーバやインフラをさわれるようになろうと、VPSを契約
  • さらにconcrete5とa-blog cmsを自分でさわって提案できるようになろうと画策中

今年の簡単な振り返りになるのかな。今年はワークフローについてはとても悩みました。いまさらな課題とも言えますが、特にデザイン承認のフローはレスポンシブ・ウェブデザインが標準の時代になってますます難しいなと。またテンプレートデザインだけで各ページのデザイン承認を取ることの難しさも痛感してます。

今年得た教訓といえば…予算に合わせる目的だけでデザイン資料を簡略化しない。簡略化するならば、その場合のデメリットをこちらがよく咀嚼して説明し、理解していただく必要がある。予算を合わせる段階はとにかく額面の帳尻を合わせることに夢中になって実作業への悪影響を軽く見る傾向があるので気をつけたいなと。

6年を振り返ってみて

最初3年の方が個性的というか、年ごとのカラーがハッキリしているなと。立ちあげ時期というのはドラマティックなもので、軌道に乗れば徐々に目に見える変化は減ってくるものなのかもしれません。

しかしよくよく考えれば2013年と2015年では状況も大きく変わってきているわけで、その変化をちゃんと意識したり感じられているかというのは、6年間を「一瞬」で終わらせないためにも大事なのかな、と。

漠然と6年間があっという間だった、このまま30年経つのかツラいと冒頭申し上げたんですけど、こうしてまとめてみるとまあいろいろやってきたし、毎年なにかにあがいているし、そして来年あがくタネもちゃんと撒けてはいるな、と少し安心もしました。いや安心してはいけないんですがね。

来年取り組みたいこと

申し上げたようにCMSの幅は拡げます。提案の幅を広げることはもちろんなのですけど、WordPress以外のCMSコミュニティへの出入りも増やして今より視野を広く持ちたいなと思っています。特にオープンソースソフトウェア周りの「自由」の定義や価値観、ビジネスとの関連させ方は多様なので、そこは識者にいろいろお伺いしていきたいと思っております。

なおデザインのフロー関連で気になっているのはProttによるプロトタイピングと、Fireworksの後継になりうるAdobeの新プロジェクト「Project Comet」です。

あとは今年すでにそうなのですが、来年も事務所内外での動きが激しくなりそうなので、どんな体制を組んで制作をしていくか、というのは依然大きな課題になりそうです。今とあるチームにジョインさせてもらってデザインを担当してるんですけど、ミーティングの持ち方や使用しているツールなど、すごく勉強になっています。

とりとめのない記事でしたが、来季7年目も頑張っていこうと思います。どうぞよろしくお付き合いくださいませ。

おまけ:Advent Calendar 2015 の質問への回答

この フリーランス Advent Calendar 2015 では質問がいくつか用意されていますので、簡単にご回答しときます。

机やイスにこだわりありますか?

基本的にコワーキングスペースの人なので、ものすごいこだわりはありません。ただ腰は痛めやすくなったので、今は義父のオススメのチェアを使ってます。名前もどこのものかもまったく知りませんけども(笑)

これがないと!というお気に入りツール・環境はありますか?

Adobe Fireworksがそうですが、そろそろよくない依存だなと思っています。

大きな予定を立てたり共有するのにはサイボウズLive、小さなタスク管理はWunderlist、コミュニケーションはSlackでもChatworkでも何でもつかいます。

5年前、5年後のじぶんはどう思いますか?

5年前は振り返ったとおり…でも一番ツラい時期だったのかも。5年後か…来年どうなるかでかなり変わりそう。

「フリーランスになりたい」と相談されることありますか?また答えは?

コワーキングスペースをやってるわりに、あまりないかも…。忙しそうにしているからあまり憧れをもってもらえないのかも。あとはすでに独立した経験のある人が来ることが多いから、かも。

なお、就労経験の少ない学生さんなどだったらば「いちど就職してみたら?」ということはあります。そこを抜かしてちょっと基本的な所作が残念な感じになっている方もたまにお見かけするので。

就職するしないにかかわらず、ステキな事業をやっている方がいたら、その人の元で働くならどうだろう? 自分はなにか売り込めるものがあるだろうか? 役に立てるだろうか? という視点はずっと持ち続けることが大事だなと思います。

フリーランスやめたくなることありますか?

とくになかったですけど、会社員に戻ることに抵抗感はあまりありません。むしろ今の持っているスキルはステキな集団の中で活かせるか / 通用するのか、というのはわりと興味があります。

気分転換やストレス解消にしていることありますか?

Splatoonとお酒(どっちについてもアドベントカレンダー書きますよ)。月に一度の「JUSO Music Jelly」などでDJをやること。あとは思い切りお仕事のお話を友だちとすること。

 

深沢 幸治郎
このブログ主の夫のほう。大阪を中心に活動するウェブデザイナー。水交デザインオフィス代表。JUSO Coworking運営。趣味でハウス・ディスコDJ / デレマスP。共著書『世界一わかりやすいWordPress 導入とサイト制作の教科書』発売中です。

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