WordPressに出会って5年、これまでをざっくりと振り返ってみた

わぷーイメージ

この記事はWordPress Advent Calendar 2015への参加記事です。22日の担当でしたが間抜けなことに予定していたネタのいろいろがややこしく、テーマを変えて、遅くなっての投稿です。参加者のみなさま、申し訳ございません…。

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WordPressとの5年間を振りかえる

さて、世界中のウェブサイトの25%超がWordPressで動いているというニュースがあった2015年でした。あいも変わらず世界でも日本でも、高い導入シェアを誇るWordPressでありますが、こうした雰囲気になったのもわりと最近のことでして、私がWordPressをさわりだした2010年はまだまだ日本国内では今ほどの盛り上がりはなかったものと思います。

少なくともWordPressの創始者のひとりであるMatt Mullenwegが来日した2009年のWordCamp Tokyoの参加者数が150人であったことを考えると、開発者の間でもまだまだWordPressはメジャーなCMSではなかったということが伺えます(事実、まだCMSとして使える機能はそれほど充実してなかったように思います)。

初めてのWordPressはテーマのコーディングから

私はそんな2009年の12月に独立して小さな事務所を立ち上げ、そして幸いにして半年後にはじめてWordPressをさわる機会に恵まれました。お仕事をくださった方がいくつかWordPressをさわる仕事に携わっており、オリジナルテーマをコーディングするという仕事でした。当時は今ほどWordPressのテーマ作成に関する情報は多くはありませんでしたが、当時はこの記事を参考にしながら、なんとか動くテーマを作って納めることができました。

WordPress オリジナルテーマの作り方 | Webクリエイターボックス

当時はこのWebクリエイターボックスさん、そしてWeb Design RECIPESさん、そしてかちびと.netさんといった制作者によるブログがまさによちよち歩きの私にとっての指針であり教科書でした。これらのブログを参考にしてWordPressをさわりはじめた、という方は多いのではないでしょうか。とても感謝しています。

この仕事を皮切りに、たまーにWordPressの仕事を請けるようになったのですが、大きな転機はふたつありました。

コミュニティとのつながりとWordPress向けの案件に恵まれた

2011年のWordCamp Kobe 2011でWordPressコミュニティにふれたことと、2012年、自らWordPressを提案していくつかのウェブメディアの立ち上げに関わったことです。

まずWordCamp Kobe 2011。これは確か当時、実行委員として活動してた菱川拓郎さんに呼ばれて当日スタッフとして参加したのだったかと記憶しています。当日は大変な盛況で、このような大きなイベントを有志の人々が手弁当で回していること、そして少しでも僕が役に立てることがあることがなんとなく嬉しくて、今後のWordBench大阪への関わりなどのスタートになったイベントでした。なお当時のことはこのブログでも振り返っています。

そして2012年には案件にも恵まれました。「海とダイビングの総合サイト・オーシャナ」は当時ようやく使えるようになったカスタム投稿タイプ機能をフルに駆使して制作した中規模のメディアサイトです。これまで多くのコーナーを持つウェブサイトはWordPressを限定的に導入して別のシステムも使う、というようなハイブリッドな作りをしていることが多かったのですが、このサイトの設計に当たってようやくサイト全体をひとつのWordPressで制御できる、と踏んで提案することができました(あとからWordPressでは実現できず、スクラッチで作ってもいただいたデータベースコーナーが登場することにはなりましたが…)。

またとあるシステムインテグレーターさんのサイトを制作したときは、その要求水準が高く相当量のカスタマイズをしなければなりませんでした。とくにWordPressが弱い各種メニュー項目の並べ替え機能などは必須であり、そのときはかなりのPHPと格闘することになりました。実は完全に赤字でしたが、代わりにPHPを読んで変数の流れをいじるようなことを少しできるようになりました。貴重な機会でした。

また同年制作した「介護ライブラリ」は同じく介護の知識をテーマにしたウェブメディアです。さらに2013年にリニューアルされることになるのですが、こちらはマルチサイト機能をフルに駆使して様々な「地方版」を更新者さんに増やしてもらえる機能を付けました。マルチサイト機能を使ったブログの量産に関しては西川伸一さんの「ころぐ」で得られた知見やhijiriworld Webさんの紹介しているノウハウがとても役に立ちました。そして当時は日本語フォーラムに書き込む勇気がなかなかわかなかったのですが、それでもROMっていろいろな知見を得ることができました。

こうした実績のおかげもあり、メディアサイトはその後もちょくちょくと作っています。「WordPressは案件の内容に応じて適材適所で提案しましょう」というお話は周りでよく聞きますし私自身そう思っていますけれども、とくにWordPressが得意とするメディアサイトやブログのテーマ制作のお話があるおかげで、あまりそこは迷わずにWordPressをご提案できています(なお、コーポレートサイトの場合は要件に応じてconcrete5を提案することもあります)。

その他のWordPressで制作させていただいたメディア・ブログ

メンテナンスや開発環境についての関心が高まる

ちょっとこちらの記事でも書いたのですが、2013年ごろからはWordPressサイトを預かることも多くなってきたので、WordPressのカスタマイズ方法よりも、

  • 運用方法やメンテしやすい作り方
  • 日頃のテスト環境の作り方
  • メンテ負担を軽減して結果クライアントさんの固定費を減らすようなホスティングサービスの選び方

などなど、そういうWordPressサイトとの長い付き合い方の方をよく勉強するようになりました。不幸にも制作者の無知によりハードにカスタマイズされたWordPressはメンテナンスすることができず、結局当時は安い買い物であったとしても、後から誰もさわれない負の遺産になってしまうことがあります。特にそういうサイトがクラッキングを受けたりするともう目も当てられません。

2014年にWordCamp Kansai 2014に登壇したり、2015年には「CMS大阪夏祭り2015」というイベントに登壇しましたが、いずれもセッション内容はメンテのしやすさをやセキュリティを考えた設計の話がメインになっているのは、そういったケースに触れてきたゆえであったりします

これからもよろしくおねがいします

そんなわけで5年間トライアンドエラーを繰り返しつつWordPressに関わってきた5年間でした。WordPressから得た私の利益はそれは大きなものだし、それを支えてきた人々に少しでもお返しをすべく私はWordPressのコミュニティに関わっています。主には関西のWordCampやWordBenchへの参加、そしてときどきWordPress Codex(コミュニティ有志が編集管理しているWordPressのオンラインマニュアル)をちょこちょこ翻訳したり、日本語フォーラムで分かる範囲の回答をしたりしています。

来年は他CMSへの取り組みも増やしていく予定ですが、変わらずWordPressの方でも楽しいことをやっていきたいと思っていますので、コミュニティの皆さん、どうぞよろしくお願いしますということで、このダラダラしたエントリを終わらせていただきたいと思います。

WordPress Advent Calendar 2015、他の記事も併せてぜひお読みください!

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