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WordCamp Ogijima 2018をめいっぱい楽しんできた――男木島旅行記2018 #WCOgijima

少し開催から時間が経ってしまいましたが、2018年7月15日、香川県高松市の離島・男木島にて開催されたWordCamp Ogijimaに参加してきました。多くの人にとってそうであったように私にとってもかなり印象的なイベントになりました。今回はあまりまとまっていない形ですが、旅行記として関連ツイートや写真を交えながらWordCamp Ogijimaの思い出を綴ろうと思います。

WordCamp Ogijimaとは

WordCampは現在世界でもっとも利用されているとされるCMS「WordPress」のユーザーコミュニティによるカジュアルなカンファレンスイベントです。簡単な説明は本イベントのウェブサイトにも紹介されていますのでご覧ください。

WordCamp とは – WordCamp Ogijima 2018

こちらのページにもあるとおり、これまでは東京や大阪などの大都市圏で行われることが日本におけるWordCampの常だったのですが、今回は地方、それもスポンサーになるような企業のオフィスがあるような県庁所在地などではなく、香川・高松からフェリーに乗って30分という瀬戸内の離島での開催という点が大きく目を引きます(とはいえ高松からのアクセスはいいので、絶妙の位置と言えるかもしれません)。

前日から飲む

今回は大阪から友人3人と車に乗り合わせて高松まで4時間のドライブで高松に前日入り、2日目に男木島にわたりWordCampに参加、そのまま参加者のみなさんと男木島でバーベキュー懇親会+テント泊、翌日朝に高松に帰ってドライブし関西に帰る…という二泊三日の日程です。

前日の高松入り、ドライブ中は写真を撮る間もなかったのでまずは着いたホテルで一枚…

さっそく飲んでる。なんだかんだ、四国の自動車専用道の多くの区間は1車線でトンネルも多いので割とハンドルを握る手に汗をかくくらい緊張します。車から降りたときの開放感が半端なかったです。

さっそくひとっ風呂浴びてから前日入りした参加者さんとの非公式前夜祭に参加すべく4人でホテルを出発しましたが、40分前に到着したので0.5次会。2杯目。最高か。

女子3人旅+運転手、早く着いたので0.5次会の図

で、このあとは前夜祭 + 二次会ですね。お名前だけ知ってるけどちゃんとご挨拶したことがなかった方と前日からご一緒できていろいろお話できるってやっぱりありがたいですね。遠征はやっぱり前乗りが楽しいです。

明日もあるので控えめにせねば…と思いながらもわりと飲んでました。帰りにチキンラーメン買ってしまったのは完全に敗北でしたね…

朝イチから眠気がふっとぶおもてなしぶり

「明日はホテルの朝食に6時半に集合だ!」と各々の部屋に意気揚々と帰ったのですが、翌日起きたら7時半でした。朝食はそうそうに諦めて準備をし、イベントがチャーターしたフェリーが泊まっている高松港に出発。炎天下の強い日差しにうんざりしながら眠い目をこすりこすり港につくと…

昨日いっしょに楽しく呑んでいたスタッフのみなさんがしゃっきり受付をしつつ、チャーター便はWordCamp Ogijimaのバナーを貼った特注仕様。出港したときの船内放送はなんとスタッフさんによるイベントのお知らせ!

さらに受付で手渡されたトートバッグを開いてみると…

タオルにうちわ。暑い一日を助けてくれること間違いなしのお持たせです。これには眠気もふっとびました!

同行のうち二人は「体力温存のため」と称して伏せていましたが…

いよいよ本編開始、の前に男木島図書館へ

30分ほど揺られて港についても対応は完璧です。夕方からの懇親会会場となるキャンプ場(会場から徒歩30分とちょっと遠いのです)に持っていく荷物を預かってくれるコーナーがあり、本編の間は最低限の荷物で動き回れます。荷物は夕方までに軽トラのピストン輸送で現地に持っていってくれるとのこと。ありがたすぎる…!

開演までには時間があるので男木島図書館に立ち寄りました。

男木島図書館の表側。
館内はたくさんの参加者さんでにぎわってました

会場到着。厳しい条件に負けない工夫とサービスの数々

いよいよセッション会場に到着。今回のWordCampの舞台は男木小中学校体育館。

冷房がないため熱中症が懸念されるところですが、参加者は潤沢に用意されたドリンクが取り放題となっており、また巨大な扇風機がいくつも用意されているため、午前中はほとんど暑さを感じることはありませんでした。さすがに14時すぎはかなりの暑さになっていましたが、冷たく冷えたドリンクが取り放題というのはありがたかったですね。また客席はかなりの余裕をもって設定されており、人の密集もなく、気軽に中座したり休憩できる雰囲気があったことも大きいと思います。安全第一。

またお子さま向けには託児サービスを用意(要事前予約)しており、冷房のきいた学校近くの民宿で保育士さんに預かってもらえるということでした。

会場には看護師さんも絶えずついており、厳しい条件に対応すべく最善の手を惜しみなく使っているところが素晴らしいと思いました。

ここらへんの完成度の高さはこちらの記事が詳しく書いてくださってます。

「イベント」の完成度が高かったWordCamp男木島 #WCOgijima – ちゃんとやれ!

あ、あと参加者全員に配布されたランチボックス(by ダモンテ商会さん)のクオリティがメチャクチャ高かったことも言及せねばなりません。お子様向けのランチはもちろんビーガンにも対応しているという仕事っぷりです。すごい。

よくデザインされたセッション内容

この記事は旅行記で行こうと思いますので各セッションの詳しい内容は他の方にお願いするとして、このエントリでは全体の雑感をまとめます。とてもよくデザインされたセッション内容だったと思います。

まずはセッションのラインナップは公式ページから。

セッション – WordCamp Ogijima 2018

見ての通り1トラック、つまり、同時並行でいくつものセッションを走らせず、みんなが同じ内容を聞くという形です。例年国内のWordCampではマルチトラックのセッションが基本ですので、これは例外的な組み方といえます。会場の制限でこうなった、ということもあるのでしょうが、これがかえってよかった。なにしろ綱渡りのように教室を移動する手間やプランニングをする手間がありませんし、見逃しも少ない。なにより参加者同士で体験を共有しやすいのです。

また内容に注目すると、いわゆるテック系の話はほとんどありません。基調になっているのは「WordPressから得た経験・ライフスタイルの共有」というテーマです。どのセッションにもこのWordCampのステートメントである「Empower the smalls to go big(小さなものに力を与え大きく育てよう)」という言葉が行き渡っており、総じて気軽に聞けて「帰ってからも明日の仕事をがんばろう」というポジティブな気持ちにさせてくれる内容でした。

「勉強会」というテンションではなく「旅の途中に仲間とともに聞くお話」という感じでした。知識を持って帰ってもらうよりも、旅のはじめから終わりまでをひとつのWordCampとして、その中核にあるセッションの時間、そしてこの島での時間をどう過ごしてもらうか、というところがよくデザインされていたと思います。

とくに最初の2講演はまさに基調を示した講演だったなと思いました。その後のキャンプの場でご登壇の大木さんと村上さん、EllenさんとManuelさんご夫妻とゆっくりお話できる機会があったのはとても嬉しいことでした。

セッション終了、そして懇親会場へ

セッションが無事終了したころは16時30分、まだまだ暑いですがここから懇親会場の男木島灯台まで歩いていきます(高松でも懇親会が開催される運びとなっていて、高松組はここで船に乗って島を後にします)。前述したように大きな荷物は朝のうちに預けてあったのですが、私はノートパソコンを会場に持ち込んでいたため、それなりに重い荷物になりました。港を出発し、アップダウンの多い道を参加者同士で話しながら歩いていきます。

なおここでも安全対策はしっかりなされており、キャンプ組は出発時と会場到着時、そして翌日起床時にもぎりチケットで点呼されるシステムとなっています(ここでひとりでも欠けていれば私たちは山の中を捜索せねばなりません、とは副委員長額賀さんの言)。

道の途中、今回登壇されていたEllenさんとManuelさんご夫妻と歩きながらゆっくり話すことができました。私のリスニング能力に難ありでしたが、ゆっくり話してもらいながら、いろいろお話することができました。英会話やっててよかった。

絶景を眺めながら炎天下の中をバーベキューと灯台を目指して歩く

懇親会場は地上の楽園だった

着いたらすでにテントのほとんどがスタッフさんたちの手によって設置されており、朝のうちに預けた荷物を受け取って割り当てられたテントに放り込んだら、もうそこはキャンプ懇親会場です。すでに冷えたビールが用意されており、スタッフも参加者も大きなお肉をグリルにかけながら男木島の夕日を楽しんでいました。

そこかしこにいい匂いが漂っている

日もくれてくると、あたりは一気にフォトジェニックな雰囲気に。「こういうのは肉眼で見ているまま写真には撮れないのよねえ」と言いながらもつい一枚二枚と撮ってしまいます。

男木島灯台のマジックアワー

夜の帳が降りるとキャンプファイヤーまで! こんなの何十年ぶりでしょうか。頭の中にドヴォルザーク作曲の「遠き山に日は落ちて」が流れます。

その後は各々楽しくお話の時間。買ってきたばかりのコーヒー豆をあけてあたたかいコーヒーを振る舞い出す人、自分のテントを組み立てだす人、その日のワールドカップ決勝戦に備えてタブレットを取り出す人、超大容量ポータブルバッテリーから電力をみんなに分け与える人、ポータブルスピーカーを取り出し音楽をかけだす人(僕だ)…みなさんがそれぞれの対キャンプ用秘密兵器を持ち出してきて面白かった。

いろいろな方とお話できましたが、最初のセッションに登壇されていた大木さんとゆっくりお話できたこと・何年ぶりだろうこもりまさあきさん(まさかWordPress関連のイベントにいらっしゃると思ってなかったのですが、過去に東京のWordCampには出たことあるんですよ、とのことでした)と最近のUIデザインのフローのお話ができたこと、大宮7Fの星野さんとコワーキングスペース運営者談義ができたこと、そして今回の旅の仲間たちとものくろ大東さん・池田百合子さんたちとゆっくり話せたことが印象的でした。

私的WordCamp懇親会恒例、星野さんとのコワーキングスペース運営者会談。

翌日は運転もあるので日が変わった頃にシャワーを浴びて(水シャワーでしたがかなりさっぱりしました)眠りにつきました。

帰途につく

朝は6時起き! 同時にテントがどんどん畳まれていきます。荷物を所定の場所に集めたら朝ごはんです。

おなかいっぱい食べたら全力でお片付けをしてから出発。また気温があがっていく男木島を30分歩いて港へ帰ります。なぜだろう、むしろ帰りのほうがきつかったかもしれない。

お片付けを残したスタッフさんたちに見送られながら島を後にしました。本当に最初から最後までありがとうございます。めっちゃ手を振っていますがお見送りの方はほとんど関西のよく知ってる人たちだったり。

高松についてからは自動車に乗り継ぎ、やはり4時間かけて旅の仲間とお話したり食べたりしながら帰りました。最後の方はさすがに4人ともおつかれモードではありましたが楽しかった。よい同行者に恵まれた、これもありがたい。

車を停める度に食べる人々

いい旅・いいWordCampでした

ということでガラになく写真もりもりの散漫な旅行記でした。こんなによい旅ができたことは本当に、委員長の西川さん・副委員長の額賀さんをはじめとするWordCamp Ogijima実行委員の皆さま、そしてその熱意に膨大な支援をしてくれたスポンサーの皆さまのおかげです。こんなに制約とリスクだらけのイベントを綿密な準備とホスピタリティで成功に導いたことは、これからのWordCampのみならず様々な国内のコミュニティイベントに大きな影響を与えることなのではないかと思っています。いい刺激になりました!

せめてこのご恩に報いようと久しぶりに休日午後をフルに使って8000文字近いレポート記事を書きました。次回があれば絶対行くと思います。今度は家族を連れていきたいなー。本当にありがとうございました。

JUSO CoworkingにWordCamp Ogijimaグッズをさっそく飾りました。

(所要時間:4時間)

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