Suikolog

小学2年生との通院のある日。

先日、上の子の喘息通院で病院に行った。
毎日仕事をしている私は「おかえり」と言ってあげれる環境を作ってみてはいる一方、この日は下の子の体調不良で保育園をお休みしていることも重なりやっぱり何かしらバタバタ忙しく、その日もいつも通り約束の時間に帰ってきた上の子の手をひっぱり急いでタクシーに乗る。

頭の中は返事していないメッセージのことや、どんどん進捗で未読がつくLINEの通知、上の子の通院が終わったあとの下の子の病院への流れなどを気にしつつ、母子手帳や保険証関係の確認、忘れ物がないかなどカバンを見ながら酔って気分悪くないか?タクシーを汚してしまう座り方をしていないかチェックする。

病院に到着。
急いで診察券を取り出し受付へ保険証とともに提出。
病院スタッフは順番がきたら酸素をはかり数値をみて「うん、大丈夫元気」と、診察の順番を待った。

待ってる間、病院においてある間違い探しをよく2人でやっているんだけど、これがまた終わらなくていつもそわそわしてしまう。
けど今回は旦那さんが買った新しい漫画を借りてきていたので、診察待ちのあいだもメッセージの返事をすすめることができた。

そして診察。
今回は本当にスムーズ、呼ばれるのも早かった。

そして今回から先生が変わった。
もともとチームでみてくれている病院なので「この人」という主治医はいない。
でも基本普段の診察は時間が決まっているので大体おなじ先生になる。以前はやさしい若い男性の先生だったけど今度は若い女性の先生。

とてもかわいらしい印象で、かつとても明るく話しかけてくれた。
そのせいだろうか、いつもより病院の椅子に落ち着いて座れない。
あの回転する椅子はこどもにとってとっても面白い。じっとなんて座れなくていつもほんとうにぐるぐるふらふら。

わたしは日ごろの体調の状態や風邪など体調を崩した頻度を先生に伝えつつ、そのふらふらをやめなさいと目配せしたり注意するのでドキドキ。
そんなふらふらな状態の上の子に聴診器をあてる先生が、にこにこ一言

「いま体育何してるのー?」

それは特にめずらしい声掛けではなかったけど、仕事のことやこどもの動作のことで頭がいっぱいだったらしい私の胸がどきっとした。

いま体育でなにしてるか知らなかった。

恥ずかしがる小学2年生男子。
あとで聞いたけどやっぱりかわいい先生で恥ずかしかったらしい。

「…サッカー」
「そうなんやー。けり方教わってるの?もう思いっきり蹴ってもいいの?」
「もう蹴ってる」
「ほんとー。その時に息がぜーぜーしてしんどくなったりない?」
(首をふる)
「お友達をめっちゃ笑って、あ、胸がしんどいなーってことない?」
(首をふる)

そうだった。
最近元気だったから細かいところ忘れてた。
いや、忘れるくらい元気なことは本当にいいことなんだけど。この子は喘息だ。

学校の砂ぼこりや都会どまん中の空気はよくない。
そういえば1年生の頃はまだしんどい日もあって、途中で胸がしんどくなって保健室にいくこともあった。

あー…最近ゆっくり話せてなかったかもなぁ…

わたしの心にすごく重く、ずっしりとのしかかった。

診察が終わって会計待ち。
また漫画の続きを読みだした上の子。

本当にスムーズな日でいつもより早めに終わった。

下の子の様子は熱が上がってきたとのLINE。

上の子は「なんか食べたい」といい喫茶店の前へ。

17時。もうすぐ晩御飯。用意はもちろんできていない。

深呼吸をして少し考える。
下の子も病院に連れていかなきゃいけない。上の子はハラへ。17時。

「何がたべたい?」
「うーん、この中だったらパンケーキ。これ、重なったやつ」

そこには3枚くらい重なったボリューミーに見えるかわいいパンケーキセットの写真。

「なるほどなー。これやったらさー、日曜日家で作らへん?」
「え?」
「ここでこれ絶対食べたい!っていうんやったらいいよ。でも、たっくん(下の子)熱あがってきてるんやって。はよ病院いかなあかんし、もし日曜日、家でつくるんでもいいんやったらコンビニでなんかおにぎり買おう。パンケーキやったら家でなんぼでも豪華なんつくろう」

そういうと、上の子の目は輝いた。

 

結局、コンビニで「いくらまぐろおにぎり」をチョイス。飲み物はまさかのココア。

ほんの10分くらいイートインスペースに座って食べる。
いつもの私はあと1時間くらいでご飯にしなきゃいけないんだからおにぎりは…とおもってしまってたかもしれない。けど、さっきの先生に気付かされてなんだか、下の子の病院に急がなきゃいけない気持ちもありつつ、少し余裕があった。

ええやん。おにぎり1個。
食べたいときに食べたらええ。それくらいの時間は全然ある。

食べ終わり、次は薬局いかねばいけない。
歩き出したのはいいけど、ふと手元に処方箋の紙がない。

「あれ!?ごめんコンビニみてきてー!」

と頼むとダッシュでいってくれる喘息っこ(笑)
行ってくれた瞬間リュックの隙間からみつかる(爆)

すぐに戻ってきて謝る

「ごめんあったw」
「もーう!」
「ごめんごめん、あ、お薬手帳家に忘れた」
「なんで忘れるんよー」

ここでいつもならお前がいうなと突っ込むかもしれない。けどこの時はそうじゃなかった。

「なんでやろー。なんか忘れてしまうねん。どうしたら忘れへんやろ」
「一緒にいれといたらいいやん」
「え?」
「母子手帳と一緒に。いるもの一緒にしといたらいいねん」

お…おぅ。ぐうの音も出ない。

手をつないで帰った。
本当に見境なく甘えてくるから、最近はちょいちょい

「いいのか!?いま周りに友人はいないか!?そんな雰囲気でいいのか!?」

と面白おかしくはやし立ててみるけど、家からも学校からも少し距離のある病院。
気兼ねなく手をつないで笑いあった。

帰りの電車でサッカーのことを詳しくきいた。
空の段ボールを蹴ってあてる授業らしい。

後日、その授業中に友達ともめて赤白帽のゴムをちぎって帰ってきた。

授業の内容をよく聞いていたから、なんで喧嘩になったのかわかりやすかった。

小学2年生。
ちょうど上もいて下もしっかりいる年齢に。

理科も社会もはじまるから、もうランドセルの中全ての教科入ってます作戦はできないことは伝えておくけど、あっという間に本当に成長するな。

気が付けば手足は伸び、抱っことか絶対お断りしたい体重に。

いましかない時間。
やっぱり楽しまなきゃと思う。

 

後日。
パンケーキを一緒に焼いた。

絵本みたいなタワーがしたかったらしく、大きなパンケーキ4枚重ねた。
イチゴとチョコソースをたっぷり。

食べれる分だけにしときやと言うと5枚目は悩んでやめた。
3枚半食べてもうあとは限界だったので私が残り食べた。

今度はもう少し小さめを焼いてタワーにしようと笑った。

モバイルバージョンを終了