Suikolog

ふたたびPTAの会長になった

これまで会長、そして副会長を歴任してきた、長男が通う市立小学校PTAの会長になった。役員は3年目、会長には2度目の就任ということになる。周囲の人には昨年度でしばらくPTA活動はお休みにするつもりであると言ってきたけれど、結局今年もやることになった。

現在長男は新4年生なのであと3年ほど、ということになるが、その後に次男の入学が控えており、この小学校とは保護者として11年付き合うことになる見込みである。それを考えれば、また折々のタイミングで役員に返り咲くこともあろうから、まずは2年でお役御免とさせてもらいたい。そのように一緒にやっている役員のみなさんにはお願いしていたし、自分自身も完全にそのつもりでいたのだ。

ところが、残念なことに今年度の会長になろうという人が見つからない。約一ヶ月、一緒にやっているもうひとりの副会長をはじめとする皆さんが探し回ってくれていたのだが、その甲斐なくPTA会長をやってやろうという人は見つからなかった。

役員たちが泣く泣く僕のところに「なんとかもう一年やってもらえませんか」と訪ねてきたのは3月も終わりに迫った頃だった。役員候補の決定までのタイムリミットぎりぎりである。

私自身、昨年度一緒にやった役員の皆さんとはなかよくやらせてもらっていて、それなりに楽しい体験もいろいろあった。今回その役員のほとんどは今年度も役員として残るということもあり「みなさんが残るということだから」ということでもう一年やらせてもらうことになった。

「もうPTA会長不在でやってもいいんじゃないか」という話もあるし、人によっては「だれも支える気がないならPTAなんてなくしてしまえばいいんじゃない」という人もいる。どちらも現実的な選択肢だと思う。ここで僕が妥協するような気持ちで会長として収まってしまえば根本的な問題は先送りされたままになってしまうんじゃないかとも思った。

でもとりあえずもう一年やることにした今、ちょっとやってみようかなと思うことはある。ゆるく関わりたい人に本当にゆるく関わってもらうための仕組みづくりである。

実際、PTAなんて関わりたくない人はなにを言おうと関わってはくれないし、そんな人に首に縄をつけて参加させるようなこともしたくない。

とはいえ、二年やってみた感触として、「手伝うことはやぶさかではないが、いきなり役員は様子もわからないしキツい」くらいの温度感を持っている人は何人か見てきた。昨年度に初めて保護者アンケートを取ってみたり、行事へのボランティアスタッフ(いわゆるくじ引きによる当番でない、自由意志でのスタッフ)を募集してみたりした結果見えてきた人々である。

結局PTAの役員の仕事というのはまったくのブラックボックスであり、現状仕事の全貌は、引き受けてみて初めて知ることばかりである。そんな状態ではなかなか手を上げることも難しいだろう。

私たちの一年の仕事をまず可視化する必要がある。できるだけ時期ごとにわかりやすく、重要度をはっきりさせた形で誰もが見れるところに置いておかないといけない。

その上で役員も含めて「できるだけのことをする」「無理して前年どおりのことをしようとしない」「お金で解決できることはお金で解決する」ようにできればもうちょっとラクになるのかなと思う。

特にウチのような1学年単学級の小規模校では保護者の数にも限りがある。共働き家庭は全体の8割を超えており、これまでどおり女性の役員が仕事もこなしながらPTAの実務も一手に担うような体制はどこかで変わらないと10年ももたない。

もたないならもたないで構わないけれど、2年やってきた中でこれは誰も幸せにならないなーと思ったことなどは思い切ってやめることも視野にいれて、もう一年やってみようと、そういう気分になった。

そういうことを言ってられるのも「実務面は任せてほしい」と言ってくれる前年度からの女性役員の方々のおかげなのだけれど。結局私も典型的な、オールドスクールな男性役員というやつだなあと思い、苦笑いしてしまう。

本当に変えるべき根本は、「男性は忙しいから挨拶や外回りなどの仕事」「女性は時間があるから実務」といったおおよそ現代的とは言えない暗黙の役割分担なんだけど。

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