Suikolog

ボランティアスタッフから見たWordCamp KOBE 2011

Photo by MakeGoodTime on flickr

さて、終わりましたねWordCamp KOBE。
ご来場者は593人と過去の国内のWordCampの記録を大きく塗り替えるものとなりました。

僕は実行委員である菱川拓郎さん(@HissyNC)さんにお誘いを受けて、当日ボランティアスタッフとして、はじめてのWordCampに関わることができました。 ボランティアスタッフからの目線でこの一大イベントについて書いてみようと思います。

WordPressの裾野の広がりを体感した

WordPressはエンジニアのみならず、私たちフロントのコンテンツ制作者にとっても一つの共通項のようになりつつあります。
その中でのWordCamp、それはエンジニアやデザイナー、ディレクターといったカテゴリを大きく包括するコミュニティを感じさせるものでした。

WordCampの成り立ちについて私はあまり知らないのですが、おそらくはオープンソースコミュニティの振興目的から始まったものではないかと推測しています。だとするならば、いまやWordCampに期待されている役割はそれだけのみならず、もっと広い範囲での「情報共有・コミュニティ形成」になってきたのでは、と思います。
その期待感が動員を押し上げ、今回の593人という素晴らしい結果に繋がったのではないでしょうか。

もちろん「WordPress」という枠からはみ出してくると、それはそれでどうなのかという議論になるわけですが、それはまずは置いておいて。
1オープンソースソフトウェアの生み出したコミュニティが周りを巻き込みつつ大きな潮流を作り出しつつある、それがどうにも面白そうだと僕は思っています。

キャパシティの不足とその対応について

というわけで動員のみを見れば大成功と言えるわけですが、そこに疑問符はつくなあと正直思っています。
物理的に会場のキャパシティが不足していました。人気のセッション開催前には狭い廊下に長蛇の列ができあがり立ち見でも入りきらないものが多発、ゲストの入れ替えでも人の流れが混乱し、タイムテーブルの遅延が発生しました。

会場そのものはずっと前におさえているものであり、変更はできません。
動員自体も定数を区切って制限すればよかったのでは、というお話も聞きますが、今までのWordCampのやり方なんかもあるので人数を区切ってしまう、という選択もしにくかったろうと察します。

ただ、事前に来場者数を把握する手段があり、その数を把握しながら、対策を打てなかったのはやはり残念だった点でしょう。とくに参加者の動線が設計されていないのはイベントとして致命的でした。当日はホントにケガ人が出てもおかしくない状態ではと思えたのです。パンクしている会場には整理券などが必要になりますし、行列の管理は当然必要です。
たとえば入り口が二つある教室なら入場・退場をそれぞれどちらか一方に制限し、動線を一方向にする工夫が必要だったと思います。

当日のみの参加とはいえスタッフとして関わっている僕が他人事のようにこういうことを書くというのもよくないことなのですが、これからのWordCampにもたくさんの人が訪れることになると思います。WordCampはイベント会社が仕切るわけではない手弁当のイベントですが、これだけの規模になってきたからこそ新たに気をつけねばならない点が顕著になってきたということでしょう。次回は東京、さらなる来場者が予想されます。イベント運営のプロのノウハウなどを学びつつ、運営のみなさまにはこれを糧にしていただきたいと思います。

私個人にとってのWordCamp

当日はたくさんのスタッフさん・たくさんの参加者さんと動き、お話ししました。

準備段階での動きにはほとんどかんでおらず、当日身体と頭が動くだけお手伝いしよう、という実に気軽なスタンスでの参加です。こんなんでスタッフのみなさんに馴染めるのかといささか心配ではありましたが、一緒に身体を動かすというのは不思議なもので、イベントが終わる頃にはなんとも不思議な連帯感に包まれていました。
ひとつはあのスタッフTシャツの効果なのかもしれません。今をさること15年ほど前、学園祭の準備をするためだけに高校に行っていたような僕には、とっても懐かしい連帯感。
思えば、この業界に入って、この業界に関わるイベントでこういう雰囲気って感じたことがなかったです。

一日だけ参加してた僕でもそうなのですから、ずうっと準備を続けてきた実行委員のみなさん・スタッフさんはなおさらのことと思います。

独立して2年。WordPressをさわりだして1年。
これまでたくさんの方に出会ってきたんだということを確認できた一日。
そしてこれからもたくさんの方とつくることをがんばりたい、そう思えた一日でした。

実行委員のみなさま、スタッフのみなさま、そして炎天下の中いらっしゃったゲストのみなさま、どうもありがとうございました。

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